天平時代の染め技法の一つに、夾纈(きょうけち)というのがある。
同じ形の板2枚を1組として、万力などで挟み、柄付けをする。
今から10年以上前、お給料もらいながら染めをしていた。
まだ染めの世界に足を踏み入れたばかりの頃、1人で店番をしていた時、藍染体験に来られたお客様の対応することになった。
そのお客様がアーガイル模様でTシャツを染めたいと所望されたのだ。
これまで一度も自分はやった事がないのだけど、何度か他のスタッフがやっているのを見てたから、やれる!と思い、お客様のお手伝いをした。
同じ形の2枚1組の板を挟んで染め、また再度挟み変えて染めるアーガイル板締め。
染めるのはお客様だけど、板の位置を調節して配置するのは私の役目だ。
染め上がって板を外してみた時、アーガイル模様とは似てもにつかない、そんな模様が出来上がっていた。私の目は、点になった。。。
その時のお客様は、これはこれでいいですよと、笑って許してくださった。
知ってると言うのと、できると言うのは、
猪木とエノキほどの差がある、と言うのを痛感し恥じた。
そして私は、アーガイル模様作りの練習した。
だからもう、アーガイル模様で失敗をする事はないけど、やはり狙いを定めて、計算して染めるというのは、今でも苦手だ。