現代人は、色の力をなめているんじゃないか、と思うことがよくある。
なぜ空は青いのか。血はなぜ赤いのか。
葉っぱは、なぜ緑で、その緑の藍の葉が、青をくれるのか。なぜその色なのか、と。
例えば、フィギュアスケートをテレビで観戦しているとき。
氷上で似合う色は、地上で似合う色とは違う。氷は水の結晶で、青の精だからだ。かの五輪での、荒川静香選手の青だ。その精に感謝しつつ、色を身に着けると、目に見えない力が働いて、助けてくれる事がある。私はそう信じている。
昔の人は、色の力を知っていた。
神社の鳥居や、平安神宮の建物を見てください。
西方浄土の光が朱い柱にあたって、命の色、赤を溢れさせている。
色とは、つまり太陽の色だ。
染めをやっていると、食品添加物のように、たやすく色が出せないものか、とたまに傲慢になる自分がいる。
街を出歩くと、不調和な看板の色や、灰色のビルの色。それら物欲につんのめった心の色。
自分だけは、それらに毒されまいと思いつつ、しっかりと染まっているじゃあないか。
色はなぜあるのか?
初心に返ろう!